よくある質問

遺品には多くの個人情報がある?

遺品整理をしていると、意図しなくても、故人や家族のプライベートな部分が垣間見える。

身分証明書や公的書類があれば故人や家族の氏名・年齢が容易にわかる。

また、写真があれば顔が、卒業証書・資格証・履歴書があれば学歴や経歴が、名刺や制服があれば職業が、日記・手帳があれば日常生活が、手紙・年賀状があれば交友関係が、クレジットカード明細・給与明細があれば経済生活が、金融機関の書類や銀行通帳があれば経済状況が、薬や診断記録があれば疾患がわかる。

意識してみると、遺品にかぎらず、身の回りにはプライベートを露わにする情報が溢れていることがわかる。

遺品整理の現場では?

一般的な故人宅での遺品整理では、対象物は故人やその家族のものに限定されるため、個人情報の数としては多くはない。

同時に、金銭的に価値ある情報、第三者にとってメリットのある情報であることは少ない。

したがって、それが世に出て悪用される可能性は低いと考えられる。

ただし、PCやスマホ等のデジタル遺品は、保管されている情報の種類が多く、保存されている情報量も多いため、またインターネットを通じて漏洩しやすいものでもあるため取り扱いには慎重さが求められる。

当社では、デジタル遺品は、できるかぎり遺族に引き取ってもらうようにし、処分を希望される場合は物理的に破壊している。

個人情報保護は必要?

個人情報を活用することによっては、我々は高い利便性や快適性を持つ社会生活を手に入れることができている。

が、同時に、「個人のプライバシーの侵害」「新たな犯罪の発生」など、負の事象も発生している。

インターネットの発達により多種大量の個人情報が流通するようになり、それに伴って個人のプライバシーが侵害されるようになっている。

また、個人情報を悪用して犯罪の形態も高度化している。

「個人情報の保護は、個人のプライバシーを守るため、犯罪を防止するためである」と言え、インターネットや情報通信が発達している時世だからこそ、尚更、その必要性が高いのである。

個人情報とは?

個人情報の定義は個人情報保護法2条1項に示されている。

同法では、「個人情報は生存する個人に関する情報で、氏名・生年月日・その他の記述等(文書・図画・電磁的記録)により特定の個人を識別できるもの」とされている。

単体の情報だけでなく、照合によって容易に個人を識別できる他の情報や、政令・規則で定められた文字・記号・番号などの個人識別符号が含まれる情報も個人情報に該当する(法2条2項)。

それ単体では特定の個人を識別できない生年月日や電話番号等でも、氏名等と組み合わせることによって特定の個人を識別できるようであれば個人情報に該当する場合がある。

運転免許証番号・マイナンバー・パスポート番号・基礎年金番号・住民票コードなどもそれにあたる。

ドメインやユーザー名から特定の個人を識別できる場合は、それ自体が単体でも個人情報に該当する。

また、公に知られている情報でも個人情報に該当することがあるので注意が必要である。

世界と日本の動向は?

かつて、世界は個人情報に対して特別な意識をもっていなかった。

しかし、諸々の問題が提起されるようになり、1970年代になると、世界各国が独自に法律やガイドラインを制定しはじめた。

また、各国間のビジネスに問題が起きないよう、1980年には、OECD(経済開発協力機構)が個人情報保護のガイドライン「OECD8原則」を策定。

続いて、1995年には、EUが、個人情報が保護されない第3国への個人情報移転禁止を指令。

それにより、各国が早急に法整備を含む個人情報の取り扱いルールを策定しなければならなくなった。

我が国も、1998年にプライバシーマークの運用を開始した。

2000年代に入ると、2001年、アメリカが「Safe Harbor原則」を制定。

そして、2003年、我が国で「個人情報保護法」が成立し、一部の規定は公布即日施行され、2005年に全面施行。

それが更にバージョンアップされ、2017年に、「改正個人情報保護法」および「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律(マイナンバー法)」が全面施行となった。

個人情報保護法とは?

個人情報保護法は、正確には「個人情報の保護に関する法律」という。

近代において、我々は個人情報を行政・医療・商行為等々 様々な分野で活用することによって効率的かつ合理的な社会生活を送ることができるようになっている。

と同時に、個人のプライバシーに関わる重要なものでもあるため、その有用性に配慮しながらの個人の権利や利益を守ることが重視されるように。

そこで同法が2003年に制定され、2005年に全面施行された。

以降、経済・社会情勢の変化や人々の意識の高まりに合わせた改正を経て現在に至っている。

法律によって何が変わった?

法制化されたことによって、個人情報の意識が格段に上がった。

個人情報をデータベース等で所持し商行為に用いている事業者は、その保有量や取り扱い件数に関わりなく個人情報取扱事業者とされ、個人情報保護委員会の命令に違反したり、個人情報取扱事業者が自己または第三者の不正な利益を図る目的で個人情報を提供したりした場合などは刑事罰が科されるように。

それが、個人情報運用の適正化につながっている。

個人情報保護に例外はある?

個人情報保護法には例外規定もある。

憲法上保障された自由(表現の自由、信教の自由、政治活動の自由)に関わる主体が個人情報を取り扱う場合、法令に基づく場合、人の生命・身体または財産の保護に必要な場合、公衆衛生・児童の健全育成に特に必要な場合、国等に協力する場合、これに関しては例外として本人の同意がなくても個人情報の第三者提供が可能と規定されている。

また、報道機関・著述家・大学・学術研究機関・政治団体・宗教団体なども個人情報取扱事業者の義務が適用されない場合がある。

個人情報にあたる? あたらない?

氏名は、それ単体で個人情報に該当する。

個人情報保護委員会のFAQでも、「社会通念を照らすと、同姓同名がいる場合があったとしても、氏名は個人情報に該当する」とされている。

生年月日・性別・住所・電話番号・クレジットカード番号・銀行口座番号などは、それ単体では個人を識別することが困難なため、一般的には個人情報にはあたらない。

しかし、これらを他の情報と併せることによって特定の個人が識別できる場合は個人情報に該当することとなる。

写真・画像・映像も同様で、個人を特定できるものであれば個人情報になるし、顔認識データはそれだけで個人情報に該当する。

故人の情報は“個人情報”ではない?

個人情報保護法による個人情報は、“生存する個人に関する情報”とされている。

したがって、文言のまま解釈すると「故人の情報は個人情報ではない」ということになる。

しかし、故人に関する情報は、遺族など生存する個人に関する情報と重なることが少なくない。

故人に関する情報であっても、複数を照合することによって特定の個人(生存者)を識別できるものは“生存する個人に関する個人情報”となり得る。

故人に関する情報だからと言って、軽率に扱っていいわけではないのである。

個人情報は売却できる?

合法・違法に関わらず、自分の知らないところで自らの個人情報が流通していることは、多くの人が肌身に感じているのではないだろうか。

個人情報を売却している名簿業者は、個人情報をデータベース化していると考えられるため個人情報取扱事業者に該当する(法16条2項)。

個人情報取扱事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ない限り、第三者に個人情報を提供することはできないが(法27条1項)、本人の求めに応じて第三者提供を停止できること(オプトアウト)をホームページ等に記載したうえ、個人情報保護委員会にその旨を届出ている場合には第三者提供ができるとされている(法27条2項、規則11条4項)。

個人情報は買取りできる?

事業者(名簿業者)から個人情報を合法的に買い取ることはできるが、まずはその業者がオプトアウトの届出を行っているか確認する必要がある。

確認を怠ると、不正の手段により個人情報を取得したものとされてしまう(法20条1項)。

その上で、名簿業者の所在地・名称・代表者、名簿業者が個人データを取得した経緯を確認し(法30条1項)、個人データの提供を受けた年月日・個人データによって識別される本人の氏名 その他 本人を特定するに足りる事項・個人データの項目・名簿業者が第三者保護委員会に届出ている旨と、これが公表されていることについての記録を作成する必要がある(法30条2項・3項、規則27条1号)。

そして、この記録は、作成した日から3年間は保存しなければならない(法30条4項、規則25条3号)。

併せて、入手した個人データは、仮に販売促進に利用しようと考えているなら、プライバシーポリシー等に「販促目的」と記載する等して、企業内で特定された目的に絞って利用する必要がある(法18条1項)。

 

個人情報が引き起こす問題は?

個人情報取り扱いについての最大の問題は不正入手・不正使用・悪用にある。

その一角をなすのが、検索エンジンに登録されず一般的なウェブブラウザではアクセスできないダークウェブ。

ダークウェブで取り引きされている個人情報は、窃盗・詐欺などの犯罪行為に利用される可能性があり、個別に利用されたり、複数の情報を組み合わせて犯罪の高度化かが図られたりすることもある。

サイバー攻撃・架空請求・フィッシングメール・ビジネス詐欺・身分証明書偽造・クレジットカード偽造・不正送金・不正引き出し・不正取り引き・マネーロンダリング等々、犯罪行為は身近なところから世界規模まで多岐に渡り、「日本人の2.5人に1人は個人情報漏洩に起因する何らかの害を被っている」といった報告もある。

個人情報を守るには?

今の時世では、とにかくPC・スマホからの漏洩に注意したい。

PCやスマホ、SNSやショッピングサイト上など、個人情報は様々なところに存在している。

身に覚えのないメール・アプリメッセージ・SMSは開かないようにし、セキュリティが弱いフリーWi-Fiは盗聴される可能性があるのでVPNを使用する。

また、パスワードは複雑で長くするなど他人に推測されにくいものにし、使い回しをできるだけ避ける。

OSは常に最新のものにアップデートし、セキュリティソフトやアプリを導入してPCやスマホの情報を守る。

その他、ダークウェブモニタリング機能を活用したりする等、何重もの対策を講じることが重要である。

ヒューマンケアの個人情報取り扱い事例

現場は、古い一戸建。

かつては老夫婦が暮らしていたが、時を空けずして二人とも他界。

遺族は故人の子息。

その依頼で遺品整理をすることになった。

 

そこには、どこに家にもありがちな個人情報があった。

公共料金・金融・保険・行政書類・写真等々、そこには古くから溜め込まれた紙情報がたくさんあった。

ただ、故人はPCを持っておらず、デジタル遺品は高齢者向けのスマホ一台のみ。

それは遺族が持ち帰ることに。

その他のものについては、「亡くなっているわけだから本人に関するものは気にしなくていい」「ただ、自分(子や孫)達に関するものは注意してほしい」との要望を受けた。

 

さすがに、膨大な書類一枚一枚をチェックすることはできなかったが、もともと整理整頓が行き届いていた家だったので、保管されている個人情報の種類と在処は判別でき、遺族に関わる濃い個人情報も容易に分別することができた。

ただ、遺族に確認してもらったところ、注意を要するほどの情報はなかったため、故人の情報とともに処分となったのだった。

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