ヒューマンケアの事例紹介Example
依頼者不在の案件・依頼者了承を得た案件のみ掲載をしています
解体 特殊清掃 遺品整理 消毒・消臭
孤独死部屋の問題解決事例まとめ編⑱
孤独死が発生し、その重度の汚染が発生してしまった案件。
本件は、二件とも、故人が居室床に倒れていたケース。
近年、居室の床は畳ではなくフローリングであることが圧倒的に多い。
言わずと知れたことで材質は木なのだが、表面は滑らかに、中は固く加工され、高い耐久性や防湿性を誇る。
しかし、そうは言っても、基本的に木材であることに変わりはない。
遺体系の事案に限らず、長期間に渡り水分や脂分に晒されると、表面だけで止めることはできず、どうしても内部に浸み込んでしまい、シミや変色を生じさせる。
更には、腐食まで発生し、材質そのものが破壊されてしまう。
ここまでのことになると、もはや、清掃だけで元通りにすることは不可能。
相応の内装改修工事が不可欠となってしまうのである。
①住人の孤独死【神奈川県横浜市】
近隣対策もお任せください!
現場は、1Rの賃貸マンション。
その一室で住人が孤独死。
故人の年齢は若く、仕事はフリーランス。
何日も外部と接触しないことも普通にあり、何日か連絡がとれなくても、不審に思う人はおらず。
結果、発見されないまま何日かが経過し、肉体の腐敗はかなり進んでしまった。
依頼者は、離れて暮らす故人の両親。
人は、無意識のうちに、「歳の順に死んでいくもの」と思っているところがある。
だから、急な知らせを受けたときは「まさか・・・そんなはずない!」と、すぐには信じられなかっただろう。
しかし、起こってしまったことは間違いのない事実。
子に先立たれた悲哀と動揺、そして、心の痛みは計り知れず、かなり堪えているだろうと思われた。
ただ、本件の始末については、マンションオーナーや管理会社をはじめ、当方のような業者など、他人を巻き込まざるを得ない。
自己中心的に、故人の死を悼んでばかりはいられない。
それを理解してだろう、両親は、取り乱すこともなく、気丈かつ紳士的に対応。
当方が提案した作業内容については、「周りに迷惑がかからないようお願いします」とだけ要望し、「あとは信頼してお任せします」と、二つ返事で了承してくれた。
遺体発見時は警察が出入りし、それなり騒ぎになったはず。
したがって、居合わせた住人は、起こった事を知っているはず。
ただ、幸い、異臭漏洩など、本件に関することを原因とする近隣からの苦情はなし。
オーナーも、「とにかく、家財を片付けて、できるかぎりの清掃・消臭・消毒をしてほしい」「その後の内装工事は、別途、協議のうえ」との要望を出したのみで、細かく口を挟んでくることはなかった。
事が穏便に進んでいたため、当社の作業も、できるだけ穏便におさめたかった。
そこで思案・・・
このマンションは、独身者用で、住人の多くが若者。
平日の日中は仕事に出ている人がほとんど、つまり、平日の日中に作業をすれば、他住人と会いにくいため、作業は、平日の昼間に集中。
また、建物に出入りする際も、できるだけ目立たないよう努めた。
小さな配慮だったが、その気配りが功を奏し、小言や苦情の類は最後まで皆無。
また、その後の、大家と遺族の協議も、スムーズに進行。
「こちらの考えが及ばないところにまで気を使っていただいて助かりました」
「こちらが気づかないところにまで気を配っていただいてありがとうございました」
と、遺族もオーナーも、大いに感心してくれたのだった。
作業場所 | 1Rの賃貸マンション |
---|---|
依頼内容 | 汚染部の特殊清掃、遺品整理、ご不要物の梱包と搬出、室内消臭、室内消毒 |
作業時間 | 延べ2週間 |
作業人数 | 5名 |
作業料金 | 138,000円(税別)残置物処分費別途 |
横浜市周辺の対応地域
川崎市 大和市 藤沢市 鎌倉市 逗子市 横須賀市 東京都町田市
②腐敗体液の特殊清掃【神奈川県川崎市】
特別汚損の清掃はお任せください!
現場は、賃貸マンションの一室。
そこで暮らしていた住人が孤独死。
「人の死」にタイミングもへったくれもないかもしれないけど、悪いことに季節は暑い時季。
更に悪いことに、発見も遅れ、遺体はかなり腐敗。
肉体の大部分は、フローリングと一体化し、ベッタリと貼りついたような状態に。
頭部も然りで、カツラのごとく大量の頭髪が床に貼りついた状態で残留していた。
フローリングが水気をはじくことができる時間は限られている。
何日もが経過してしまうと、フローリングには腐敗体液が浸透し、木材も腐食。
表面を特殊清掃したところで限界はあり、到底、元には戻せない。
また、部屋には著しい悪臭も充満。
「ニオイ」は目には見えないけど、部屋に置いてある家財生活用品はもちろん、内装建材にも浸透付着しているのは明白。
害虫も大量発生し、そこら中、羽化を待つハエの蛹がゴロゴロ。
窓ガラスをはじめ、部屋のあちこちにハエの糞が付着して不衛生極まりない状態だった。
床材・天井壁クロスの再生は、はじめから諦めてもらうしかなかった。
ただ、その辺のことは素人でも察しがついていたみたいで、遺族もすんなり了承。
とりあえず、部屋の状態を、内装改修工事ができるくらいまでもって行くことに。
併せて、改修費用を抑えるため、工事内容ができるかぎり小規模におさまるよう、消臭消毒も徹底的にやることになった。
精神的にも肉体的にも、最も難儀したのは、やはり、遺体汚染の特殊清掃。
エアコンを使いたくても電気が止められており、それも叶わず。
また、近隣に迷惑をかけてはいけないので、どんなに暑くても、どんなに臭くても、窓を開けることもできず。
したがって、遺体痕をきれいにすることはもちろん、自分が熱中症にならないように注意する必要もあった。
当初の予想通り、やれるところまでやっても、床には遺体痕が、部屋には微異臭が残留。
ただ、内装改修工事をすれば解決できるレベルにまでは復旧。
最初の状態が状態だっただけに、残念ながら、工事は大がかりなものとなったが、進める以外に選択肢はなし。
遺族と大家、双方に、客観的かつ公平な判断を心掛けながら、第三者としての立場から当方の見解を説明。
すると、結果的に、それぞれ相応の負担を負うことになったが、双方とも、押すところは押しながらも引くところは引き、理解・了承してくれた。
そうして、部屋は、原状を取り戻し、新しい入居者を募集する準備が完了。
そして、当方も、遺族と大家から、「大変お疲れ様でした」「ありがとうございました」と言ってもらえ、労苦が癒されたのだった。
作業場所 | 賃貸マンション |
---|---|
依頼内容 | 汚染部の特殊清掃、室内の消臭消毒 |
作業時間 | 2週間 |
作業人数 | 延べ3名 |
作業料金 | 98,000円(税別) |
川崎市周辺の対応地域
目黒区 大田区 世田谷区 調布市 町田市 狛江市 多摩市 稲城市 横浜市鶴見区 港北区 青葉区 都筑区
ヒューマンケアの事例紹介Example
ゴミ屋敷清掃 消毒・消臭 害虫駆除
特別汚損事例まとめ編⑨
部屋の住人が大量のゴミを溜めてしまった「ゴミ部屋」の案件。
こういう現場も特殊清掃の対象となるのだが、この「特殊清掃」という言葉は、十数年前、もともと当社が考案して使い始めたもの。
そして、こういった、一般生活で発生するような汚れではなく、特殊な事例で、かつ重度の汚染のことを、当社では「特別汚損」といった用語で表している。
その、特別汚損の現場としては、孤独死現場が代表格のような印象を受けるかもしれないが、実のところ、ゴミ部屋・ゴミ屋敷も少なくない。
以前はきれいだったのに、今は、汚くなっている・・・
意外なところにゴミが溜まり、意外な人がゴミを溜めている・・・
「身近なところにはない」と思っていても、実は、身近なところにあったり、「そんな知り合いはいない」と思っていても、実は、ゴミ部屋の主と知り合いであったりすることもあるかもしれない。
ただ、気づいていないだけで。特殊清掃 消毒・消臭
孤独死部屋の特殊清掃と消臭事例まとめ編㉟
そこに暮らしていた住人が孤独死し、そのまま時間がたってしまった案件。
一件は、賃貸アパートの一室。
腐敗した遺体による汚染は、周囲の家財を巻き込んで、床に拡散。
遺体液が浸み込みにくい床材のため、その分、大きく広がっていた。
もう一件は、古い木造住宅の一室。
畳敷きの和室で、畳の上にはカーペット。
畳もカーペットも、共に遺体液を吸収しやすく、それを充分に吸い込んで腐食。
故人の姿がリアルに感じられるくらい、凄惨な光景をつくり出していた。
もちろん、二件の部屋には、著しい異臭が充満。
一口に「孤独死」と言っても、当然、亡くなった人も違えば、その現場も違う。
にも関わらず、放たれるニオイは同じ系統。
他の動物や食肉とは異なる人間特有のニオイ。
嗅ぎなれたニオイながら、ふと、「動物や食肉と何が違うのだろう・・・」と怪訝に思い、また、「“人間”という生き物は、いい意味でも悪い意味でも特別なのだろうか・・・」と不思議に思うときがある。