トラックバック 【企業戦士】
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2007年8月21日の記事です。
「会社、辞めてえなぁ・・・」
ホロ酔いになった頃、居酒屋のテーブル越に友人はそう溜め息をこぼした。
友人の勤め先は一部上場企業。
学生当時、第一希望にしていた会社。
しかし、理想と現実・夢と実際は大きくかけ離れ、やりきれないジレンマにストレスを抱えているようだった。
友人は、経済社会という戦場で、生き残りをかけたサバイバルを繰り広げる企業戦士。
本音風の建前を吐き続けているうちに自分の本心が分からなくなり、仲間風のライバルと付き合っているうちに真の友を見失い、〝俺は回りの人間とは違う!〟と孤高を張っているうちに孤独な身の上になってしまった。
頼りにしていた上司は他部署へ移動になり、新しい上司は肌の合わない頭脳派イエスマン。
そんな上司に相談できることは何もなく、気心の知れた妻子には仕事の話は通じない。
妻子が起きる前に家を出て、妻子が寝た後に帰宅する毎日。
家族とは会話らしい会話もなく、子供はとっくに父離れし、妻は能面のような顔で愛想笑い一つしない。
休日に家にいると、粗大ゴミか家政夫扱い。
妻と結婚した当初の頃が夢のように脳裏を過ぎり、それからの妻の変貌ぶりが悪夢となって自分を襲う。
抱えきれないストレスは、週刊誌のゴシップと他人の不幸で中和。
それでも、企業戦士は与えられた目標を目指して、日々、つくり笑顔と平身低頭で成績を上げ続ける。
そんな中、友人は、同期入社組の出世競争に遅れをとった劣等感と、ウマの合わない上司の下でなかなか評価されない挫折感に苛まれていた。
「辞めて何すんだよ」
「・・・」
「お前の会社、世間ではちゃんとした企業で通ってるじゃんよー」
「いいのは外面だけ!やり甲斐なんか何もなし!」
「やり甲斐?、甘いこと言ってんなぁ」
・・・