トラックバック 【立って半畳・寝て六畳(前編)】
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2007年11月9日の記事です。
「亡くなってから、そんなに時間は経ってなかったみたいですけど・・・」
依頼者の中年女性は、奥歯にモノが挟まったように話した。
そして、誰かに言い訳でもするかのように、プライベートな事情を話し始めた。
私は、何を尋ねる訳でもなく、受話器に向かって返事を繰り返すだけだった。
亡くなったのは、女性の父親。
故人は、長年に渡って独り暮しをしていた。
男の一人所帯で、しかも高齢の故人が不便な暮らしを強いられていたであろうことは容易に想像できた。
そしてまた、女性は、そんな父親をいつまでも放っておいたことに、後ろめたさを感じているようだった。
親が年老いたとはいえ、子が同居としなければならないものではないと思う。
現に、高齢者の独り暮しは珍しいことではない。
また、親子の間柄であっても、特段の用がないかぎりは連絡をとり合わないことも普通だろう。
そんな生活を続けていたって、〝子として薄情〟ということにはならないと思う。
そして、一般的な意識は、生活や身体のことばかりに向かって、孤独死の危険性・可能性にまでは及ばない。
だから、独居者の孤独死は誰のせいでもなく、天変地異に似た不可抗力的なものかもしれず、残された者が責められるべきことではないような気がする。
現場は賃貸アパート。
車通りから細い路地を
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