トラックバック 【立って半畳・寝て六畳(後編)】
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2007年11月13日の記事です。
顔の表情からその中の感情を推察するのは難しい。
この現場に現れた大家の男性は、怒ったような表情をしていたが、実際はどうだかわからなかった。
とにかく、固い表情のまま私達に話し始めた。
このアパートは昭和30年代に建てられたもの。
当初の入居者は若い人ばかり、夢を持った学生や若い独身者で活気に溢れていた。
しかし、築年数が古くなるに従って、入居してくる年齢層も上昇。
近年は老人ホームにでもなったかのように、どの部屋も独居老人ばかりになった。
初老だった故人もそんな時期に入居してきた一人。
近隣ともうまく付き合い家賃もきちんと払っていた故人は、大家の心象もよかった。
それからしばらくの時が流れ、アパートは次第に空室が目立つようになってきた。
しかし、大家は、新たに入居者を募集することもなく、アパートを取り壊す算段を始めた。
そんな中で、故人は最後の住人になった。
そして、アパートは、故人が退去し次第に取り壊されることに決まった。
「今回は、こんなことになって・・・いい人だったのにねぇ・・・」
「・・・」
・・・
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