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孤独死部屋の特殊清掃事例まとめ編㉖

住人が孤独死し、しばらく放置され、その身体の腐敗が進んでしまった案件。
一件は賃貸アパート、もう一件は一軒家だったが、故人が倒れていたところの床材は、二件とも木製フローリング。
これは、畳やカーペットとは違い、特殊清掃によって、表面に付着した遺体発生の不衛生物は、ある程度除去できる。
軽症の場合は、何の痕も残らず、何事もなかったかのようにきれいになることもある。
しかし、多くの場合、多少なりとも、床材自体に体液が浸み込んでいる。
これが、床材に変色シミを発生させ、重症の場合は腐食まで発生させる。
とにもかくにも、軽症だろうが重症だろうが、衛生的・臭気的、そして、精神的な問題は残ってしまう。
したがって、最終的には、床材を貼り換える工事が必要となり、これを避けて通ることはできないのである。

①高齢の男性が孤独死(特殊清掃)【千葉県成田市】

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現場は、賃貸アパートの一室。

そこで暮らしていた高齢の男性が孤独死。

発見は遅れ、遺体は極度に腐敗。

それを原因とする汚れは床に広がり、床はもちろん、周囲に置いてあった家財にも付着・浸透。

遺体の周辺にあったカーペットや座椅子、衣類や食品にまで汚染は拡大。

あわせて、部屋には、腹がえぐられるような異臭が充満。

驚くほどではなかったが、いくらかの害虫も涌いていた。

 

もちろん、遺体を搬出したのは警察で、それが彼らの仕事。

仕方がないこととはいえ、部屋が汚れることや散らかることは眼中にない。

当方にとっては迷惑な話でもあるが、そのせいもあって、遺体による“汚れモノ”は、そこら中に散乱。

ただ、警察による腐乱遺体の搬出作業が超過酷であることは想像に難くなく、場合によっては、特殊清掃作業よりも過酷な場面もあるはずで、頭が下がる思いを抱くこともある。

 

遺体系腐敗物はフローリングにも広く付着。

時間経過とともに凝固している部分もあり、そう簡単には除去できず。

ペリペリと削れる部分もあれば、ネットリとまとわりついている部分も。

また、少量とはいえ、床材の目地にも入り込んでいるため、それも掻き出す必要あり。

とても、拭くだけで済むような話ではない。

しかも、それをしても、床は元には戻らないわけで、そういう意味では達成感はいまいちな作業であった。

 

故人の年齢はそれなりに高かったが、特段の持病はなかったよう。

誰かの世話も必要とせず、一人で生活を成り立たせていた。

ただ、この故人にかぎらず、老若男女、人の命なんて、いつどこで途絶えるかわからない。

とはいえ、大きな病気やケガがないところでは、何の前触れもなく、いきなり命が途絶えることを想像するのは難しい。

他の孤独死と同様、自分でもわけがわからないうちに、故人の命の灯は消えていったものと思われた。

 

人間は、時の流れには逆らえない。

そして、また、「死」に対しても無力なもの。

誰しも、死期も、死に場所も、死に方も知り得ないことだけど、早かれ遅かれ、寿命という摂理には従わなければならないときがくる。

「明日は我が身」とまでは思わなかったけど、そのくらいの意識は、常に頭の隅に置いておくべきなのではないかと思ったのだった。

 

作業場所賃貸アパート
依頼内容汚物の梱包処理、特殊清掃、ウジ駆除、不要物の梱包搬出、室内の消臭消毒
作業時間延べ3週間
作業人数延べ6名
作業料金228,000円(税別)ごみ処分費別途

 

成田市周辺の対応地域

印西市 富里市 香取市 印旛郡栄町 酒々井町 香取郡神崎町 多古町 山武郡芝山町 茨城県稲敷郡河内町

②孤独死現場の特殊清掃【東京都国立市】

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現場は、住宅地に建つ一軒家。

そこで暮らしていた高齢の住人が孤独死。

近所付き合いがないわけでもなかったが、毎日顔を合わせるような日常的な付き合いはなし。

身内と連絡を取り合うのも、特段の用があるときのみ。

そんな生活環境において、発見されるまでに数日かかり、遺体はそれなりに腐敗。

フローリングには、相応の腐敗体液が付着残留していた。

 

しかし、「腐敗体液」といっても、かなりの量が流出したわけでなし。

また、脂分も少量で、薄く広がっているくらいの状態。

しかも、ほとんど乾いた状態で、悪臭の発生もほどほど。

とは言え、洗剤を使って繰り返し拭くくらいでは、きれいにすることはできず。

やはり、「削る」といった力仕事が必要。

多少のシミが残る可能性は高く、どちらにしろ、貼り替えは避けられない床のため、キズがつくことは考慮しなくてもよく、その辺の作業は思い切ってやることができた。

 

汚染に呼応するかのように、ハエも大量に発生。

ただ、遺体が部屋から搬出されてしばらくたっていたため、生存しているのは少数。

光のある窓際で、弱々しく動いているのが十数匹。

他のほとんどは墜落し、死骸となって床などに散乱。

それが家中にゴロゴロとあり、それを掃除して回る作業は、遺体痕の特殊清掃と同じくらい手間のかかるものとなった。

 

また、遺体搬出から、かなりの日数が経過していたこともあり、異臭濃度は低濃度。

当初は、生々しい悪臭が充満していたものと思われたが、既に峠は越えていた。

また、遺族は、今後、この家屋をどうするか思案中。

リフォームして新たに誰かが暮らすのか、売却するのか、はたまた取り壊すのか、先のことは決定しておらず。

したがって、リフォームしない可能性がある以上、費用と手間が無駄になってはいけないので、消臭作業は、それほど凝った内容にはならなかった。

 

作業後、床には、言われなければわからないくらいの薄いシミと、特有の作業臭が残留。

しかし、それらは、時間が自然と片付けてくれるもので、一連の作業は、当初の予想通り、すみやかに完了。

仮に、リフォームすることになった場合の二次消臭作業は、家屋の状況と遺族の要望に応じて、別途 請け負うことに。

「大変お世話になりました」「今後のことは、家族とよく相談して決めます」「何かのときには、よろしくお願いします」と言ってもらい、本件は、ひとまずの終了をみたのだった。

 

作業場所住宅地に建つ一軒家
依頼内容汚染部の特殊清掃、ハエ死骸の清掃、簡易消臭
作業時間2時間
作業人数1名
作業料金30,000円(税別)

 

国立市周辺の対応地域

府中市 立川市 国分寺市 日野市

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