ヒューマンケア株式会社は、特殊清掃業のパイオニア。
特殊清掃サービス20年の実績があります。

そして、今では広く使われている「特殊清掃」という言葉は 当社による造語であり、その作業対象には日常的に起こる事象はほとんど含まず、一般的なハウスクリーニングとは一線を画したものである。

当社では、特殊清掃を必要とする汚染や損傷を「特別汚損®」と呼んで対応しており、特殊清掃とは、そういった事象を原状回復させるため、専用の機材・薬剤や独自の技術を駆使して行う作業のことをいう。

主たる仕事場の一つに、孤独死現場がある。

孤独死とは、主に一人暮らしをしている人が、誰にも看取られることなく、自宅等で日常生活を送る中で突発的な疾病が起こり、それが急激に重篤化して助けを呼べずに亡くなってしまう状況である。

そして、遺体の発見が遅れてしまった場合では、その腐敗や損傷により発生した汚染・異臭・害虫等を処理する必要がでてくるのである。

その他にも、「ゴミ屋敷」「ゴミ部屋」と言われる現場や、ペットの多頭飼いや世話を放棄した飼育崩壊現場も仕事場となる。

また、自然死（病死）ではない自殺・事故・事件等の変死現場、詰まったトイレや配管損傷による汚水漏出現場や糞便・嘔吐物・動物死骸のある現場、この時季に流行りやすいノロウイルスや、昨今では下火になっている新型コロナウイルス現場にも専門業者として出向いている。

孤独死の原因となる社会的孤立が起きやすいとされる個人の特性としては、持病や老いによって身体が衰弱している高齢者、家族事情や未婚・死別などによる独居者、または家族がいたとしても疎遠な関係である人が挙げられる。

また、生活環境としては、無職またはフリーランスで社会や地域との関りが希薄な人、年金生活や生活保護を受給しないと生計を維持できない等、経済的余裕がない人が挙げられる。

性別としては、総じて女性より男性の方が多い傾向にあるようで、これは、時代背景からくる男女の役割意識と、旧態依然とした価値観が影響していると考えられるよう。

また、その死因としては、心臓疾患（心筋梗塞など）や脳疾患（脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血など）等といった急性の疾病発作をはじめ、アルコール依存症・糖尿病・肝硬変といった慢性疾患で亡くなったり、疾病に伴う大量の吐血・下血により意識不明に陥りそのまま亡くなったりするケースもあるよう。

そして、一般的な確率の大小はあっても、それらに襲われるのは高齢者にかぎったことではなく、高齢とは言えない中年・若年であっても、突然に亡くなってしまうこともある。

疾病が突発的に起こり、助けを呼ぶ間もなく急激に重篤化して亡くなるわけなので、皆が布団やベッドに横たわった状態で亡くなるわけではない。

玄関・トイレ・浴室・台所など、寝床ではないところで亡くなることも少なくない。

そして、汚染異臭の程度だけではなく、対象場所によっても、適切な特殊清掃の内容は変わってくる。

このケースは、賃貸の１Rマンションで、遺体があったのは玄関を入ってすぐの台所兼通路。

亡くなったのは、部屋の住人で、性別は男性。

高齢でもなく、特段の持病もなかったよう。

仕事はフリーランスで、サラリーマンに比べたら外部との関りも希薄で、近所付き合いもなし。

自然の摂理にしたがって肉体は徐々に朽ちていったのだが、密閉性の高い建物構造により異臭はなかなか外には漏れず。

そのまま日数が経ち、遺体がかなり傷んできた段階になって、やっと共用通路を通る他住人が鼻に異変を感じるように。

そうして、時ばかりが静かに過ぎていきそうだったところで事態が動いたのだった。

まずは、床の敷物等、遺体により汚染されたモノを撤去。

そして、液状になって流れ出た床の遺体系残留物を除去清掃。

この汚れは脂分が多く、部分によって粘度も高く、一部は凝固して床に固着しており、単なる拭き掃除で済まされるほど容易なものではない。

根気を要する一連の作業により床の表面は元の質感を取り戻したものの、床材は腐食し、更には、キッチンシンクの下にも潜り込んでいた。

先々の内装設備改修工事は避けられない事態であったが、とりあえずのところは、できるかぎりの消毒・防臭処理を施し、次に、全室を対象とした消臭消毒作業に入っていった。

その後は、消臭作業を継続しながら、遺品整理・家財処分を実施。

それから、異臭が除去できたことを見極めて後、全体的な内装設備の改修工事を施工。

そうして、余裕のある期間と丁寧な仕事によって部屋は新築同然に甦り、まるで何事もなかったかのように新しい人生を迎え入れる準備が整ったのだった。