- Q
ゴキブリの防除駆除は可能ですか?
- A
衛生害虫の代表格、ゴキブリ。
市中には多種多様の駆除剤が出回っており、バツグンに効きそうなCMも多く流れている。
しかし、実際は、駆除しても駆除しても、次から次へと涌いてくる。
戦いの終わりを予感させてくれないくらいの生命力を持ち、人々を悩ませている。
現代のゴキブリは?
都市伝説の一種だろう、「田舎にゴキブリはいない」「タワマンにゴキブリは出ない」「寒い地域にゴキブリはいない」等といった話を聞くこともあるが、実際、ゴキブリは「人の住居には必ずいるのでは?」と感じられるくらい身近なところに存在している。
しかし、その嫌われようは半端ではなく、平気で素手で捕獲するような人がいる一方、嫌悪感を通り越した恐怖心を抱き恐れおののいている人もいる。
蜂やムカデのように噛んだり刺したりすることはないのだが、人々は、とにかくその存在を忌み嫌い、駆除することに躍起になる。
ただ、色々な駆除剤や道具が開発され、害虫駆除の専門業者がいる中でも、なかなか根絶までには至らないのが現実。
人の手では、個体数を減らすことが精一杯のような様相を呈している。
生態は?
繁殖力は強く、一度の産卵で20個以上の卵が入った卵鞘(らんしょう)を産む。
生活集団が大きければ大きい程その繁殖力は高まり、成長スピードも早くなる。
日本の風土では温度や湿度にはほとんど関係なく一年中発生し、特に、食料が豊富で暖かく、ある程度の湿度が保たれているところが、ゴキブリにとって絶好の生息地となっている。
人にとって快適な環境がゴキブリにとっても住みやすい環境であることが悩ましいところ。
食品系ゴミが山積しているゴミ部屋などは生息場所の最たるものになるが、一般家庭でもキッチンは発生しやすい場所となる。
そして、行動範囲を一定に保つ習性のもと、昼間は物陰に潜み夜になって活動する。
生息する種類は?
ゴキブリは、約3億年前から生き続けていると言われる昆虫。
動物分類上は、直翅目・ゴキブリ亜目に属し、一般的に熱帯・亜熱帯に多く生息している。
世界では、確認されているだけでも約3,500種、実際は4,000種以上いると考えられている。
日本では約20種~40種類が生息していると考えられているが、住家性があり衛生害虫とされる種類はわずか。
身近にいる種類は?
一般的な家屋に生息する種類は、クロゴキブリ・チャバネゴキブリ・ヤマトゴキブリ・ワモンゴキブリが挙げられる。
日常で見かけるゴキブリは、概ね、この4種のどれかのはず。
①クロゴキブリとは?
クロゴキブリは、日本全国に広く分布するが、多くは関東以南で見かける。
一般家屋やアパート・マンションなど、一般家庭に多く生息し、天井裏や床下で発見されることも多い。
時には、便所の浄化槽等にも営巣し、人糞まで食べる。
一度に20~25個の卵を産み1~2ヶ月で孵化、十数回の脱皮を繰り返しながら、約1年で成虫となる。
②チャバネゴキブリとは?
チャバネゴキブリは、羽はあるが飛ぶことはできず、脚で移動する。
全世界の湿熱帯に広く分布し、日本でも全国に広く分布するが、寒さに弱いため寒冷地には少ない。
一般家庭ではあまり多く見かけないかわりに、飲食店やビルに多く繁殖している。
中には、薬剤抵抗性ができた固体もいて駆除が困難な場合もある。
③ヤマトゴキブリとは?
ヤマトゴキブリは、日本に古くから生息する土着種で、関東を中心に北海道から近畿にかけて分布。
成虫の体長は2.5cm~3cmくらいで身体に光沢はなく、オスはクロゴキブリに似ておりメスは丸みを帯びた体型で羽は短い。
屋外で生活することが多い中、一般家庭に生息することもあるが、コンクリートの建物には少ない。
④ワモンゴキブリとは?
ワモンゴキブリは胸部に黄白色の輪紋があるのが特徴的で、触角が長く身体は褐色で艶がある。
成虫の体長は4cm~5cmくらいで、よく見られるクロゴキブリよりも大きく、ゴキブリの中でも大型種にあたる。
熱帯種でもあり、かつては温暖な南日本に多かったが、地球の温暖化や暖房設備の影響で、現在では北海道から沖縄まで広い範囲での生息が確認されている。
ゴキブリは不衛生?
ゴキブリの多くは細菌・ウィルスを持っている。
病原性細菌や食中毒の原因になる病原菌を運ぶ媒体にもなり、食品を置くキッチンにゴキブリを繁殖させてしまうと、衛生上、深刻な被害を及ぼすことにもなりかねない。
もともとはゴキブリの体表についた細菌でも、その体内で増殖し、糞などによって排出され、周囲を汚染することにもつながる。
また、ゴキブリの死骸や糞が原因でアレルギー症状を引き起こすこともある。
人体にも影響があるサルモネラ菌・ポリオウィルス・赤痢菌などを媒介する可能性も高く、慎重な対応が必要となる。
主な駆除方法は?
生命力が強く適応力にも長けているゴキブリは、完全に駆除することが難しい。
まずは、駆除の前には生息調査を行い、生息場所や通路になっていそうな所を特定し、その現場に適した駆除方法を選定。
駆除方法としては粘着シート等で個体を捕獲する術があるが、これはほとんど効果が見込めない。
効果が期待できるのは、ゴキブリの行動範囲に毒餌(ベイト剤)をあらかじめ撒いておく方法(残留処理法)と、生息しているゴキブリに直接的に殺虫剤を噴霧し駆除する方法(直接処理法)が挙げられる。
当社が推奨する駆除法は?
当社が推奨している駆除法はベイト剤を使った残留処理法。
ベイト剤とは、ゴキブリの好む餌や誘引物質に殺虫成分を混入させたジェル状のもので、これを食べたゴキブリは一時的に脱水症状を起こして死滅していく。
また、ベイト剤を食べたゴキブリの糞や死骸を仲間に食べさせ、巣ごとの壊滅を狙うこともある。
定期観察も重要
ゴキブリは一度全滅させても自然と回復してくるので、定期的な対策が必要となる。
生息させないためには、ゴミを放置しないこと・食品を密封管理すること・清掃を励行することが重要。
同時に、侵入したゴキブリを生息させない環境づくりも大切。
市販品でも高性能の殺虫剤や毒餌もあり、それらを複合的かつ反復的に使用すれば、ゴキブリの個体数を減らし、また、新たな発生を抑制することもできるはず。
ただ、本格的な駆除・抑制を求めるなら専門業者に依頼する方が合理的である。