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ゴミ屋敷・ゴミ部屋を片付けることはできる?
- A
ひと口に「ゴミ屋敷」「ゴミ部屋」と言っても その程度は様々で、作業の難易度は現場毎に異なる。
単に多めのゴミが床に散乱しているだけの部屋もあれば、圧縮されたゴミが天井近くにまで達しているような家もある。
また、ゴミの種類も日用品から家具家電まで様々。
食品・飲料や尿・糞便が混在していたり、害虫や害獣が営巣していたりすると作業の難易度は高まる。
それでも、これまで、当社においては手に負えなかった現場はなく、熟練業者として、他社が途中で断念した高難度の現場を引き継いで作業したこともある。
その様に、ゴミがどれだけ大量でも どれだけ不衛生でも完遂してきている。
当然、近隣との間でトラブルが起きないような配慮も充分に行っている。
ゴミを溜めてしまう人のタイプは?
部屋にゴミが溜まってしまうのは、本人のだらしなさだけが原因ではないと考えられる。
身体的または精神的な疾患が原因だったりすることも少なくなく、「故意」とは言い切れない状況の中で悩んでいる人もいる。
その他にも、物を買い過ぎてしまいやすい人(心配性の人)、物が捨てられない性格の人(物を大切にする人)、仕事などで多忙な生活を送っている人(勤勉な人)、不規則な生活でゴミを出せない人(時間がない人)、他の人に頼るのが苦手な人(責任感が強い人)、また、社会的に孤立している人(注意する人がない人)が抱える問題であるとも言われている。
早急に片付ける必要はある?
ゴミを片付けることについては、時間や費用が障害になることもあるが、それよりも罪悪感や羞恥心の方が大きな障害になることもある。
したがって、「設備点検が入ることになった」「近隣から苦情が来ている」「管理会社(オーナー)が部屋を見にくることになった」等、ギリギリの状態になるまで腰を上げない人が多い。
しかし、放っておいても事態は深刻化する一方、自分自身も追い詰められていくばかり。
結果的に自分を大変な目に遭わせることになるだけだから、手は一刻も早く打った方がいい。
やはり、オーナーや管理会社にゴミ部屋を見られる前に片付けと清掃を行うのがベター。
オーナーや管理会社がゴミを目の当たりにした場合、強い嫌悪感と憤りを覚えるのは必至で、早急にゴミを撤去し清掃することを求められ、場合によっては退去を迫られる可能性もあるから。
相手方が抱くであろう悪印象を少しでも和らげるため、他人に見られる際の部屋はできるかぎりきれいな状態にしておくことが大切である。
ゴミを溜めたことは告白した方がいい?
賃借している物件をゴミ部屋にしてしまったが、まだ周囲に知られていない(怪しまれていない)場合、オーナー・管理会社へ報告すべきだろうか。
近々に退去する予定があるなら、早めの申告が求められるだろう。
逆に、退去の予定もなく、ゴミ撤去と清掃で原状回復(通常損耗・経年劣化除く)できるなら、申告の必要はないだろう。
ただし、ゴミ部屋の状態であまりに長い期間が経過していた場合、内装・建具・設備等に影響が出ている可能性がある。
実際には、長くゴミに浸かっていたため床材やクロス素材が腐食していたり、堆積したゴミの重圧によって建具が変形・破損していたりと、内装・建具・設備自体が汚損しているケースが少なくない。
キッチン・バス・トイレも同様で、素材自体が傷んでしまうと掃除で元通りにはならない。「ゴミを撤去して掃除すれば元通りの部屋になる」と考えている人は意外に多く、そんな状況では、結局のところは露呈する可能性が高いし、仮に露呈する前に片付けたとしても、退去する際、内装等に通常では生じ得ない汚損(痕跡)があった場合は問題視される。
結論としては、告白するかどうかについてはどちらでも良いと思われるが、片付け・清掃後に発覚する可能性が高いか低いかが、ひとつの判断材料になる。
公的なサポートはある?
近年では、空き家と同じようにゴミ屋敷も、個人の問題ではなく社会の問題として目を向けられるようになってきた。
高齢であれば地域の福祉サービスに相談してみるのもよいと思われるし、自治体によっては、ゴミの撤去だけでなく福祉的・経済的な側面からの支援を条例で制定しているところもあるので、そういった制度を利用してみるのも一手。
具体的な制度を設けていない自治体であっても、社会の流れの中で、ゴミ屋敷対策に力を入れるところも現れつつあるので、困ったときに相談に乗ってくれる可能性はある。
近隣住民など周囲の人から大家や管理会社に相談が入ると、すみやかな対処を求められるのはもちろん、退去を迫られる可能性も高い。
また、第三者から行政に相談が入ると自治体から指導が入ることもあるので、その前に自らアクションを起こした方が得策である。
専門業者に依頼した方がいい?
部屋をきれいにする術は色々ある。
まずは、自分でできることは自分でやること。
「そもそも、それができればゴミ部屋にはなっていない」と思うかもしれないが、家族や友人知人に手伝ってもらうことができれば心も折れにくい。
また、時間と労力がかかる反面、費用を格段に抑えることができるうえ、新しい生活に向かって自分を再生させるための“特訓”とすることができる。
ただ、状況が深刻であればあるほど自力での解決は難しいのが現実。
今の時世で現実的・合理的な術は、やはり、専門業者を活用すること。
相応の費用は負担せざるを得ないが、実績のある専門業者であればスムーズに片付けることができるうえ、細かな要望にもできるかぎり応えてくれるはず。
何より、そこは単なる商取引の世界なので、罪悪感や羞恥心を抱える必要はなく、精神衛生上もよいはずである。
業者に依頼するときのポイントは?
専門業者に頼む場合の注意点はいくつかあるが、まずは、業者を相手にするときは開き直ることが大切。
業者に対してまで劣等感や羞恥心を抱いてしまうと交渉力が弱まり要望がキチンと伝えられなかったりすることがあるから。
あと、差し迫った期日が施工条件にならないよう時間に余裕を持つことが大切。
施工期日が迫っている状況での相談は、費用も作業内容も業者主導になりやすいから。
ありがちなのは「設備点検」で、「点検予定日は不在」として延期を繰り返した末、業を煮やした管理会社が「不在であっても〇日〇時頃に入室する」と通告してくるケース。
当社では、事前に現地調査(無料)を行い、そのうえで見積書を作成提出し、作業内容と予想される作業成果を説明し、冷静な判断を促すようにしている。
同時に、トラブルの元になりかねない類の口約束はせず、費用とその内訳をはじめ、作業内容や作業成果のポイントも書面化し、それらに納得が得られれば契約を交わし施工している。