よくある質問

汚れるのは当たり前?

家屋は、使用と時間によって劣化する。

通常使用による損耗や経年による劣化は、ある種の自然現象で、避けられないものである。

また、日常生活に汚れはつきもの。

塵やホコリはどこにでも存在するし、空気や雨水にも不純物が含まれているし、身体からも汗・脂・垢が出続ける。

汚したくて汚している人はいない中で、万事、結果的に汚れてしまう。

言わば、自然の理である。

ただ、だからといって、それを野放しにするわけにはいかない。

快適な生活を送るためには、掃除(洗浄)を繰り返さなければならないのである。

汚すことは悪いことではない?

汚れることは、不可抗力的なもの。

問題なのは、それを放置すること。

暮らしている家が自己所有ならば、近隣に迷惑をかけたり、他人に不快な思いをさせたりする等、公共の福祉に反するようなことがなければ自由がゆるされる。

しかし、賃貸物件の場合はそうはいかない。

借主は、他人に迷惑をかけていなくても、部屋や設備を管理する者として善良な注意を払って使用する義務を負う。

つまり、部屋や設備は常識的な良識をもって使用しなければならないということ。

そのためには、自ずと、掃除をこまめにしたり、設備を大切にしたり、ゴミ等の不衛生物をため込まないようにしたりすることが求められる。

 

部屋を汚してしまったら?

理想は、自分で掃除すること。

ただ、性格や感覚は人それぞれ、生活習慣や嗜好も人それぞれ。

人には長所・短所があるように、得手・不得手がある。

潔癖症かと思われるくらいにきれい好きな人もいれば、まったく無頓着な人もいる。

掃除が性に合っている人もいれば苦手な人もいるわけで、苦手な人にとっては簡単なことではない。

ただ、汚れが重なれば重なるほど、放置すればするほど清掃だけでは復旧できなくなる可能性が高まる。

となると、業者に頼んだ方が得策かもしれない。

もちろん、多少の費用はかかるが、「自分でやりたくない」「自分の手には負えない」といった考えに至ったときは、できるだけ早く相談することが肝要である。

水廻りは要注意?

過ごす時間が長い居室は割と掃除する人でも、用のある時々にしか使わない水廻り、つまり、キッチンシンク・風呂・トイレは要注意。

事実、部屋は常識的な汚れでおさまっているのに、水廻りは非常識なレベルで汚れていることが多い。

台所の場合は、コンロとその周辺の油汚れ・調味料汚れ・焦げつき、換気扇の油汚れ、シンクの水垢・カビ・洗剤汚れ。

風呂の場合は、カビや水垢、石鹼やシャンプーの飛び散り跡。

排水口がカビや異物で覆われていたり、扉の目地がカビで真っ黒になっていたり、鏡が水垢で曇っていたりすることも多い。

トイレの場合は、周囲に飛び散った尿、便器にこびりついた糞便や尿酸、便器裏のホコリ。

とりわけ、便座の細かな部分や便器の裏側は手が届きにくく掃除がしにくい。

水廻りを汚すそれらは不潔度の高いうえ、水や洗剤を用いた洗浄が必要になるため、億劫に感じて放置してしまいやすい。

そして、汚れが酷くなればなるほど増々手をつける気が失せていき、日々の暮らしを重ねる中で重症化してしまうのである。

借主がきれいにしなければならない?

現実には、通常損耗・経年劣化にあたらない事由により部屋に損耗・劣化が生じることが少なくない。

そうなると、借主は、「不適切な管理や用法違反により部屋を汚損させた」ということになり、原状回復する義務を負うことになる。

ただ、「原状回復」といっても入居した当時の状態に戻す責が生じるわけではなく、ここにも通常損耗や経年劣化の考え方を適用させる余地があり、これが争いの種になりやすい。

その判断について会計税務上の耐用年数または減価償却が応用される向きもある中で、実態に則さないこともしばしばあり、貸主・借主双方の知識不足も手伝って、現実にはケースバイケースの交渉・協議となることが多い。

関連する法律は?

関連する法律に「改正民法621条」(賃借人の原状回復義務)があり、その条文は、

「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」

とある。

また、国土交通省のガイドラインには、

「経過年数を超えた設備等を含む賃借物件であっても、賃借人は善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることは言うまでもなく、そのため、経過年数を超えた設備等であっても、修繕等の工事に伴う負担が必要となることがあり得ることを賃借人は留意する必要がある。具体的には、経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に賃借人が故意・過失により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態まで戻す、例えば、賃借人がクロスに故意に行った落書きを消すための費用(工事費や人件費等)などについては、賃借人の負担となることがあるものである。」

とあり、借主は、

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

とされている。

ヒューマンケアの清掃事例

            

画像のマンションは築10年の賃貸物件、間取りは1R。

新築時点から起算して天井壁クロスや床材(クッションフロア)はすでに6年の減価償却を経過しており、会計・税務上の価値はほとんどない状態。

あくまで会計・税務の理論上ではあるが、貸主は、その減価償却費を賃料の一部として借主から回収済みと解釈でき、入居者が退去する時点で価値ゼロが妥当とされる資産に対しては、復旧費用を請求することはできないと判断できた。

一方、借主である依頼者は、築3年目で入居し7年間居住。

新築時から起算しなくても、6年は充分に経過。

しかし、依頼者は、長年、掃除らしい掃除はしておらず、部屋はホコリまみれゴミだらけ、水廻りもカビだらけ水垢まみれ。

通常使用により生じる程度を超えて部屋の設備を汚損したと充分に認められる状態。

公が定める通常損耗・経年劣化の考え方が適用されるべきか否かにかかわらず、男性は、通常使用していれば賃貸物件の設備等として価値があったものを汚損したのだから、本物件の設備等が本来機能していた状態に戻す義務があると考えられた。

            

問題が浮き彫りになったきっかけは依頼者の転勤。

離れたところへ引っ越すことになったのだが、家財生活用品を搬出し部屋を空にしてみると姿を現したのは深刻な状態にまで汚れて傷んだ部屋。

居住中も少しは気になっていたが、家財がなくなってみるとその深刻さが際立ち、このままの状態では、管理会社に問題視されるのは一目瞭然。

当方の見立てでは、天井壁のクロスは通常損耗・経年劣化として貸主負担で貼り換えられるものと思われたが、フローリングは微妙なところで清掃の成果次第。

ただ、食品等、水分の多いゴミがなかったことが幸いして、床材に腐食や変色はなく、清掃で復旧できる可能性が高いと判断でき、貼り替え工事までは免れそうに思えた。

 

           

最大の問題は、バス・トイレ・キッチン等の水廻設備。

カビ・水垢・髪の毛・ホコリ等が相応の広さと厚みをもって固着。

汚れは除去できても、錆びた金属、劣化したあるゴム(コーキング材)、割れたプラスティック部品を元通りにすることはできない。

また、汚れの色素が設備素材に沈着していた場合、シミが残ることもある。

そうは言っても、引き渡す際の貸主や管理会社の心象を考えると、汚れを放置したままより できる限り清掃した方がいいに決まっている。

費用的にも、その方が内装設備改修費よりはるかに安く済む。

 

            

依頼者は、自分自身で、ここまで汚してしまったことに故意はなかったものの過失があったことは認めており、一度は自分で掃除を試みた。

が、重汚染を前にして早々と断念。

それから、一般のハウスクリーニング業者に問い合わせてみるも、期待していたような返答は得られず。

結局、特殊清掃業の当社に声がかかり、原状回復の責任についてのアドバイスとともに、できる限りの清掃を実施。

目に見えた汚染痕は残留せず、重汚染があったことは言われなければわからないくらいにまできれいにすることができ、多少の傷みがある部分についても特段の指摘を受けることはないと思われた。

結果、退去引渡しは円滑に行われ、特段の問題は発生しなかったのだった。

            

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