よくある質問

孤独死の実状は?

「孤独死」ときくと、まずは一人暮らしの高齢者が連想されるだろう。

実際、数としては、そのケースが多い。

ただ、近年では、中年・若年者の孤独死も増えているので要注意。

急な病変は高齢者特有の症状ではなく、若い人にもそのリスクはある。

また、相変わらず、自殺数も高い水準のまま推移している。

自殺による孤独死は20代までが多く、それ以降になるにしたがって下がっていく。

特に、20代以前の女性の割合が高く4割近くに達しており、個人の問題としてだけではなく社会の問題として捉える向きもある。

独居生活者が多い現代において、孤独死は誰にとっても身近な問題になりつつあるのである。

孤独死の内訳は?

「孤独死」と聞くと持病のある高齢者をイメージしてしまうが、実際の平均年齢は男性61.6歳、女性60.7歳、高齢に満たない人の割合は男性51.9%、女性52.4%。

他の地域に比べると、関東圏・関西圏は高い傾向にあるよう。

多い年代を順に並べてみると、60代・70代・50代・40代・80代以上・30代・20代となり、20~50代は全体の40%弱を占める。

差は小さいながら、65歳以上の高齢者がそれ未満より少ないということで、孤独死は高齢者特有の事象であるとはまったく言えない状況である。

男女比は5対1で、圧倒的に男性が多い。

警視庁の分類では、「変死」とされながらも早い段階で他者の介入があれば救命できた可能性があった事案は「孤独死」として集計されている。

孤独死は増え続ける?

孤独死は、誰にも助けを求めることができない中で、誰にも看取られることなく亡くなってしまう状況である。

総務省統計局発表の資料では、2020年における65歳以上の高齢者は過去最高の3,617万人となっており、総人口の28.7%を占めている。

これは今後も増加していき、同試算によると2040年には人口の35.3%が高齢者になると見込まれているそう。

併せて、一人暮らしをする高齢者の増加も顕著であり、1980年には男性が約19万人で高齢者人口に占める割合が4.3%、女性が約69万人で同11.2%だったのが、2015年には男性が約192万人13.3%、女性が400万人21.1%と激増している。

そうした著しい高齢化・独居化にともなって迎えている多死社会。

孤独死の増加に歯止めはかからず、直近の年間推計だと68,000人に上るそうである。

孤独死が疑われる状況は?

孤独死が疑われる状況としては、郵便物が溜まっている、カーテンが閉めっぱなし(開けっぱなし)、電灯が点きっぱなし(消えっぱなし)、洗濯物が干しっぱなし(干されない日が続いている)、異臭がする、窓にハエがたかっている、姿を見かけなくなった等々のことが挙げられる。

些細なことではあるが、非日常的な場面に遭遇することによって異変が察知されるのである。

第一発見者で多いのは管理会社や大家で、次に親族、職務で訪れた人、友人知人、近隣住民、警察と続く。

近親者が第一発見者になる割合は男性より女性の方が高く、これは、男性より女性の方が社交的な人が多い実状を示していると同時に、普段から気に留めてくれる友人などをつくっておくことの大切さを示している。

孤独死が疑われるときの対処法は?

存命の可能性があるなら消防(救急車)へ、生死の判断がつかない場合も消防へ通報する。

遺体を発見するなど、亡くなっていることが確実なら警察へ通報する。

ただし、身元・死因が明確になるまで、遺体や部屋の物に触れてはならない。

無闇に遺体や部屋に手を加えてしまうと、死因(事件性)によっては、あらぬ疑いをかけられることにもなりかねないから。

また、重度の異臭が充満していたり、無数の害虫が涌いていたりしても、窓を開けたり換気扇を回したりしてはいけない。

近隣に害が及ぶことによる無用なトラブルを誘引しかねないからである。

 

孤独死のリスクが高い人は?

孤独死のリスクが高い人としては、体力の衰えた高齢者や持病がある人が挙げられる。

この類の人は、突然の体調不良や病変に襲われた場合、救命のための行動がとりにくいためである。

また、貧困も一因になり得る。

節約による偏った食事や栄養不足、費用のかかる通院や療養ができず衰弱してしまうのである。

社会との関りが希薄であることも影響する。

具体的には、未婚者、配偶者と別れた人、配偶者と死別した人、親族がいない人、親族との付き合いがない人、仕事をしていない人、近隣との付き合いがない人など。

社会的孤立がもたらす精神衛生上の悪影響が身体的な問題を誘発してしまうのである。

賃貸住宅に居住している人が多いことも何かを意味しているものと思われる。

発生数を男女で比べると、圧倒的に男性の方が多い。

総括すると「社会(他人)との関りが薄い、賃貸住宅に暮らす独居の高齢男性」が孤独死のリスクが最も高いということになる。

多い死因は?

死因として最も多いのは病気(65.6%)で、次いで不明(22.2%)、自殺(10.9%)、事故(1.3%)と続いている。

「死因不明」となっていても、そのほとんどは病死であると考えられるそうで、8割を越える人が何らかの病気に起因して亡くなっているということになる。

具体的には、心筋梗塞に代表される循環器系障害や脳溢血・脳梗塞に代表される脳疾患による急な発作

アルコール依存症等に起因する内臓系の疾患で、吐血や下血が止まらず失血死してしまうケースもある。

また、宅内での転倒や落下によって意識を失い、そのまま衰弱死してしまうようなケースもある。

意識を失わなくてもケガで動けなくなり衰弱死につながるケースもあるよう。

経済的な問題なのか身体的な問題なのか、稀なところでは餓死もある。

あとは、災害の中で助けを呼べず亡くなる場合もある。

 

多い発生時季は?

発生時季としては、7月・8月の夏に多い傾向がみられるよう。

地球沸騰化する中、高い気温が体調に著しいダメージを与えることが一因でることも容易に想像できる。

ただ、高温多湿の夏場は、遺体が腐敗するスピードが圧倒的にはやく、部屋が凄惨な状態になりやすい。

無職の独居高齢者だけでなく、非常勤の派遣やアルバイト、フリーランスの仕事に従事している若者が孤独死した場合も、勤務先が異変を察知しづらく発見が遅くなりがちなので油断はできない。

 

発見は遅れがち?

賃貸住宅に暮らしていた人が対象ではあるが、日本少額短期保険協会・孤独死対策委員会によると、遺体が発見されるまでの平均日数は男女とも17日余で3日以内の発見は女性が50.1%、男性が38.4%だそう。

30日以上経過して発見される割合は女性が10.2%、男性が16.6%となっており、男性の方が長期化しやすい傾向がみられる。

他機関のデータには男性23日・女性7日というものもあり、半年以上経過して発見されたといったケースも珍しくない。

この実状からは、少なからずの故人が社会で孤立する中で生活していたことが伺える。

そして、何かあったときは早めに気づいてもらえるような関係性を周囲の人と築きにくい社会であることを浮き彫りにしている。

ヒューマンケアの孤独死現場事例

現場は、独居の高齢者が多く暮らす公営団地一室。

その一室で一人暮らしをしていた高齢の女性がひっそりと亡くなった。

故人は高齢者特有の持病を抱えていた。

無職の年金生活者で近隣との関わりも希薄。

ただ、自炊・入浴・トイレも介助はいらず、近場の買い物をはじめ、一人でも離れた病院にバスで通院するくらいの活力はあった。

 

故人には三人の子供がいたが、それぞれに家庭を持っていた。

ただ、三人とも遠方ではなく、会おうと思えばいつでも会えるくらいの距離で生活。

そういった生活環境が油断を招いたわけでもないはずだったが、発見されたのは亡くなってから二週間余が経過して後。

遺体の腐敗は進み、床は汚れ異臭は部屋中に充満していた。

 

人は、いつ・どこで・どのように死を迎えるのか予測することは不可能。

自然の摂理に任せるほかなく、抗うことはできない。

ただ、遺族は、発見が遅れたことを悔やんでいた。

頻繁に顔を合わせる時間がつくれなくても、こまめに電話やメールをすることによって安否を確認することくらいはできたわけで、そのことを悔やんでいる姿は気の毒に思われたのと同時に何かの教訓を伝えているようでもあった。

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