湯灌スタッフのブログ【悲しすぎる死】
今日の行き先を手渡されたとき、一瞬、間違いかな?と・・・
それは間違いではなく、生後8ヶ月の赤ちゃんの湯灌でした。
今日の湯灌はいつもと違って、大きな浴槽を使わず、ベビーバスを使ってすることにしました。
葬儀社さんの担当者から「つらいかもしれないけど頑張ってね!?」といわれましたが、その場では事故か何かで損傷があるのかな?くらいに思っていました。
ご葬家に到着し、玄関前に立つと・・・中から悲しむ声や泣き声が聞こえてきました。その感じ取れる雰囲気だけで涙が出そうになりました。
私たちを出迎えてくれたのは、赤ちゃんのお父さんでした。落ち着いているように見えましたが、目は真っ赤で何とか、冷静さを装っているなと判断できました。
赤ちゃんに対面し、そのお顔があまりにも安らかだったのでビックリしました。
どうやら病気でなくなったようです。
葬儀社さんが「つらいかもしれないけど・・・」といったのは、このことだったんです。
ベビーバスにお湯をいただき、ご両親とお祖父ちゃん・お祖母ちゃん、他10名の立会いがある中、湯灌をしました。
いつもは私たちがお身体や髪をきれいに洗うのですが、お母さんの希望で お母さんに洗ってもらうことになりました。
手足や身体を泣きながら洗っているのをみて、私も涙をこらえるのが大変でした。
湯灌が終わった後、赤ちゃん用の小さい白い着物を用意して行ったのですが、ご両親は白い着物ではなく、お出かけ用に買ったお洋服があるからそれを着せてほしいと・・・
赤ちゃんにお洋服を着せた後、納棺になるんですが・・・
棺にいれることをご両親が拒むので お別れのお時間を10分つくり、私たちはお部屋から出ました。
10分が経ち、再度、お部屋に戻ると・・・
部屋の中にいたご両親・ご親族の方たちが号泣されてました。
その状況で納棺をしなければならないのは、私たちも非常に辛かったのですが・・・
用意した棺は、赤ちゃん用の布を張ったものです。
ご両親の手で棺の中に納めていただきました。
お母さんが「棺の中に入れてあげたいものがあるのですが・・・」と・・・
「どうぞ入れて差し上げてください」
ご用意されていたものは玩具やお洋服でした。
「おじいちゃんが買ってくれた玩具だよ~」
「これ着てディズニーランド行こうって・・・」
「お願いだから目をあけて~・・・」
と、お母さんが声をかけているのを聞き、
私たちも涙しながら作業を進めました。
お宅訪問から退出するまで 約2時間くらいです。
いつもより時間がかかりましたが、私にとって何とも言えない、悲しい時間でもあり、その場にいる自分がとても不思議でした。
○○君、天国に行ってもお父さん・お母さんを忘れないであげてね!?