トラックバック 【孤軍奮闘(vs自分編)】
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2007年9月14日の記事です。
その日の空も、どこまでも青くどこまでも遠かった。
私は、そんな空をただ見上げては、軽い溜め息を繰り返した。
「このストレス・・・結局は、自分との戦いなのかなぁ・・・」
人間駆除作業の疲労感のせいか、広い空を風の向くままに流れていく雲を眺めていると、地ベタを這い摺り回って生きることが煩わしく思えて気分がブルーになってくる私だった。
そうして待つことしばし、遺族がやってきた。
やって来たのは中年の男女二人。
男性の方は疲れた感じの暗い表情、女性の方は憔悴した感じの虚ろな表情を表情。
遺族が気丈そうなタイプの人だったら、近隣住民との出来事を報告するつもりだったけど、どう見てもそうではなさそうな二人を見て、私は余計な報告をするのはやめた。
お互いに簡単な挨拶を交わし、私は、キョロキョロと近所のハエを警戒しながら、二人を車庫の陰に誘導。
そこで、細かい事情を聞いた。
夫婦に見えた二人は、実は姉弟。
亡くなったのは二人の母親で、夫を亡くして以来この家で独り暮しをしていた。
近年は高齢と持病が重なって、独り暮らしをするのも無理がではじめていた。
しかし、故人はこの家から離れるのを嫌がり、一方の男性・女性にもそれぞれの家族と生活があり、故人を引き取って同居するには難しい事情を抱えていた。
そうは言っても、衰えていくことが目に見えている母親を放っておくわけにもいかない。
どちらかの家に引き取るか、どこか施設に入居させるか、考えあぐねるうちに時間ばかりが過ぎていった。
娘である女性は、頻繁に故人宅を訪問しては、家事や身の回りの世話をしていた。
たまには、何日か連続して訪問できないこともあったけど、できるかぎりのことはやっていた。
そんなある日、何日かぶりに女性は故人宅を訪問。
生活感が失せた室内といつもにない異臭に、〝まさか!?〟と胸騒ぎ。
そして、布団に横になったまま亡くなっている母親を
・・・