トラックバック 【孤軍奮闘(vs人生編)】
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2007年9月17日の記事です。
「おばあちゃんの嫁入り道具だったのかな?」
故人が亡くなっていた部屋には、骨董品になりそうな桐箪笥があった。
そして、そのタンスの上には小さな仏壇があり、遺影の老年男性がモノクロの微笑みを浮かべていた。
それは故人の夫、依頼者の父親であろうことはほぼ確実だった。
そして、生前の故人が供えたものだろう、そこには少しホコリを被ったカップ酒とカチカチに乾燥した小盛の御飯があった。
そこから、一組の夫婦がこの世を去ってからも、時間は真理に従って流れ続けていることを思わされる私だった。
「さてと、まずは引き出しから見てみるかな」
貴重品がある可能性が高いのは引出しの類なので、私は、収納ケース・棚・タンス等の引出しを一つ一つ開けてチェックした。
簡単に〝引き出し〟と言っても、その数は膨大。
普段は何気なく使っているけど、自分の身の回りにある引き出しを数えてみれば、それが分かるはず。
小物を収める小引き出しからタンスの引き出し。
流し台・洗面台や食器棚・クローゼットにも引き出しはついている。
押入の収納ケースだって、引き出しと言えば引き出し。
中のモノを散らかさず、それらを一つ一つチェックしていくことは、結構根気のいる作業。
他のモノの中に大事なモノが紛れていることや、意図的に隠されているようなケースもあるため、私は、できる限り念入りに調べた。
滲みでる汗も放って作業を進めているうち、私の前には、ある特異な状況が露になってきた。
あちこちの引き出しから、財布が一つ二つ三つ・・・と出てきたのだ。
そして、作業を進めれば進めるほど、次第にその数は増えていった。
更に、どの財布も金銭在中。
「財布って、一人でたくさん持つようなものじゃないはずだよなぁ」
それは、通常、一人の人間が持つ数をはるかに越えており
・・・